#3「時計仕掛けの街」
[キャラクター] ヴァン・ムスー
エッグノッグ団
クロックダイル
シェリー
ミラベル
[言葉] シェリー、口づけてやれ
すっぱいブドウ
墓場は一番安上がりな宿屋
THE PINK ROOM
YABBA DABBA DOO!!
[シーン] キールの見た夢
時、告ぐる門
[背景] アドニス
黄泉の国=ネバーランド
[その他] 時計仕掛けのぶどう
ヴァン・ムスー【Vin Mousseux】

[キャラクター]マスターギア。アドニスの支配者。

ムスーはフランス語で泡。「泡ワイン」、つまり発泡性ワインのこと。英語で言えばスパークリングワイン。

(ジン辞典 - Loquor Side)

エッグ・ノッグ【Egg nog】

[キャラクター]エッグノッグ団。マスターギアの手下

ラム酒、またはブランデーを入れたミルクセーキ。
日本で言う卵酒で、米国等では冬場によく飲まれる家庭的な飲み物の代表格。
 本編の凶暴なお兄さん達と同じ名前とは思えない。

彼らの姿がニワトリ風味なのは、卵を使ったカクテルだから。

(うなばら ひどり,柊ほゆる,ジン辞典 - Loquor Side)

クロックダイル【Clockdaile】

[キャラクター]

時計=クロック、鰐(わに)=クロコダイル の掛け合わせ。

身体に時計を持ったワニといえば、そう、ピーターパンに出てくるフック船長をつけねらう時計ワニだろう。

(柊ほゆる)

シェリー【Sherry】

[キャラクター]ヴァン・ムスー、マスターギアの相棒

シェリーは、ピーターパンにも出てきた、海賊や船乗りが刑罰のために使っていた、
九尾の猫と呼ばれる九つに割れた鞭と、
中国や日本の神話に出てくる九尾の狐とを、かけているのではないでしょうか?
たしか神話では、王様なんかをたぶらかしていたような・・・。

王ドロボウジンに出てくるキャラクターの名前はそのほとんどがお酒の名前から来ているので「シェリー酒」から来ているのじゃないでっしょうか。

(riot,爆弾)

ミラベル【Mirabelle】

[キャラクター]JINGガール

ミラベルはフランス語で黄色すもも(イエロープラム)のこと。酒名の場合はミラベルを使ったリキュール、オードヴィーを指す。

(ジン辞典 - Loquor Side)

シェリー、口づけてやれ

[言葉]ヴァン・ムスー、マスターギア

ヴァン・ムスーが狐のシェリーに言った言葉の「シェリー、口づけてやれ」という言葉は、
フランス人歌手のミッシェル・ポルナレフという人の歌った曲「シェリーに口付け」という曲から
きているような気がするのですが…

(etoile)

すっぱいブドウ

[言葉]シェリー

2巻でシェリーが最後に言う捨て台詞。
常識かもしれないのでいまさらなのですが、英語でsour grapeと言えば負け惜しみの事です。

[出展]
イソップ童話より

おいしそうなブドウが木になっていました。それを見つけた狐が食べたいのに取れずに手をこまねいてる間に、カラスがやってきて、そのブドウを取っていってしまいました。で、狐は「どうせあんなブトウはすっぱいさ」と言って去って行ったそうな。


シェリーが言ってるって事で、「あ、なるほど、狐か」と思った記憶があります。^^)

(狭衣)

墓場は一番安上がりな宿屋

[言葉]船長

船長が地下でジン達にいうこのセリフは、アメリカの黒人詩人ラングストーン・ヒューズの言葉。ヒューズは、差別に苦しみながらも力強く生きていく黒人達の魂を詩という形に結晶させた。

(新装版王ドロボウJING『王ドロボウ犯罪白書』より)

THE PINK ROOM

[言葉]クロックダイル

クロックダイルの腕にかかれている言葉

クロックダイルの腕に『THE PINK ROOM』と書かれていますことにご注目ください。
確固たる証拠と確証は得られませんでしたが(要するに当て推量ですが)、
類似する文献を発見しましたのでここにゴ報告致します。

(『ピンクの子供』マルコ・デネヴィ 1966年)
「…ある日、”ピンクの子供”はピンクパレス
の秘密の部屋に入った。この部屋は様子を問う
ことさえ禁じられている所だ。彼女が入ると、
す べ て の 時 計 が 止 ま っ た 。
だが出ていくと再び動きはじめるのである。」

幽かな関係性が感じられる箇所はここだけです。おそらく無関係だとは思いますが、
JINGの元ネタ探しを通して世界文学の蘊蓄を深めるも一興かと思いますので
これを持ちまして当ネタの逮捕令状の発行を要請致します。なあんてね。

(アニゼット)

YABBA DABBA DOO!!

[言葉]キール

1巻のアドニスの門前でもんばんにダブルダッチをしかけられて中に入る場面があります。そのなかのキールのセリフ。

これは、アニメ「原始家族フリントストーン」の主人公
フレッド・フリントストーンのセリフが元ネタと思われます。
おもに喜びの表現として使っていましたが、
他に何か意味があるのでしょうか?

(Mr.セキセン)

キールの見た夢

[シーン]棺桶の中で見た夢

マスターギアから、辛くも逃れた後、キールが見たというヒゲのじいさんの夢。ポテトを一緒にキールを「唐揚げ」にしようとした、という証言からすると、あのファーストフードの雄たるチェーンの創始者カーネル!!!?

(新装版王ドロボウJING『王ドロボウ犯罪白書』より)

時、告ぐる門

[シーン]アドニスの門

歯車門番が立ちふさがるアドニスの入口。その上にある巨大時計はチェコの首都プラハ市庁舎の天文時計が源流。時を告げるごとに人形達のショウとキリスト十二使徒のごあいさつが楽しめる、芸術作品。

(新装版王ドロボウJING『王ドロボウ犯罪白書』より)

アドニス【Adonis】

[背景]町の名前

シェリー酒をベースにしたショートカクテル。

アドニスはギリシャ神話のアフロディテ(ヴィーナス)に愛された少年の名前。

(ジン辞典 - Loquor Side)

黄泉の国=ネバーランド

[背景]お話の基盤となっているネタ

ネバーランドといえば、永遠の子供ピーターパンと仲間達が住む国の名前。この引用を始めとして『時間都市編』にはジェームス・バリー原作『ピーターパン』のモチーフが随所(ずいしょ)にちりばめられている。

(新装版王ドロボウJING『王ドロボウ犯罪白書』より)

時計仕掛けのぶどう

[その他]時計仕掛けの街で盗んだお宝

この時計仕掛けのぶどうは、アイズワイドシャットなどでも有名な、
故スタンリー=キューブリック監督作品
『時計仕掛けのオレンジ』が元ネタだと思われます。

タイトルだけで、内容的には繋がりがないみたいですが、
作品から受ける色彩はJINGに通ずるものがあります。
ファンは押さえておきたい作品です。

スタンリー・キューブリック
1928年、アメリカ・ニューヨーク州出身。幼いころから写真に熱中し、高校卒業後は写真誌ルックのカメラマンとして働くが、50年代に映画製作に転じる。最先端を行く映画監督としての地位を確立したのは、「博士の異常な愛情」「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」のSF三部作。娯楽性最優先の米映画界にあって、芸術性にこだわり続けた数少ない映画監督。高度産業社会の矛盾が露呈する人間の狂気を扱いながらも、詩的な美しさをたたえた作品が、常に新しい映像世界を切り開く。

● 恐怖と欲望(Fear and Desire)
● 非情の罠(Killer's Kiss)
● 現金に体を張れ(The Killing)
● 突撃(Paths of Glory)
● スパルタカス(Spartacus)
● ロリータ(Lolita)
● 博士の異常な愛情(Dr. Strangelove)
● 2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)
● 時計じかけのオレンジ(A Clockwork Orange)
● バリー・リンドン(Barry Lyndon)
● シャイニング(The Shining)
● フルメタル・ジャケット(Full Metal Jacket)
● アイズ ワイド シャット(Eyes Wide Shut)

◇◆◇キューブリックの特徴◇◆◇

光と炎
キューブリック映画の中で出てくる光は、とても冷たく輝いている。「2001年‥」の宇宙船の電子頭脳を満たす赤い光,「バリー‥」の賭博場を照らすロウソク,「フルメタル‥」の戦場に燃え上がる炎も、みな冷やかに映し出されている。

左右対称構図
キューブリック映画には左右対称の映像が度々出てくる。そして、そこに奥行が加えられると、視線が中央の奥へと逆らい難く吸い寄せられて行く。キューブリックが偏愛する“廊下構図”である。

仮面と化粧
「時計じかけ‥」「現金に‥」「バリー‥」「ロリータ」等では、仮面をつけたり、化粧や付けボクロなどでメイクをしている。これは無法な人間の野蛮な行いを暴きたてる覆いである。


キューブリック映画では顔のズームアップが度々出てくる。「時計じかけ‥」のメイクした顔,「2001年‥」の異次元トリップの時の顔,「シャイニング」の狂気の顔,「フルメタル‥」のおちこぼれ訓練兵が狂気と化した顔など、どれも強烈なインパクトがあり脳裏に焼き付く。

フィルムノワール
白い光と黒い影が織り成す暴力と陰謀の物語。テクニカラーで描かれた明るい陽気な表の世界。その裏側にあった、暗く冷たい現実的な世界。影はあくまでも黒く、光はあくまでも白い。

(うなばらひどり,柊ほゆる)